%@LANGUAGE="JAVASCRIPT" CODEPAGE="932"%>
イワウメ科 |
イワウメ科 (Diapensiaceae) は被子植物の科のひとつで、6-7属およそ20種が含まれる。日本にはイワウメ、イワウチワ、イワカガミなどが分布する。
菌根性の草本あるいは低木、花は中型、花弁は5枚でやや合着し、雄蕊は5本。北半球の高緯度地方から温帯にかけて分布する。日本では高山植物として知られるものが多い。
イワウメ(岩梅 学名:Diapensia lapponica L. var. obovata Fr.Schm.)は、イワウメ科イワウメ属の常緑の小低木。高山植物。 別名:フキヅメソウ、スケロクイチヤク
本州中部以北から北海道にかけての高山帯の岩礫地や岩壁に張り付くように
生える。枝は横に這い、厚い革質の葉が密生するためクッション状となり、一見
しただけでは木本とは思えない。葉は倒卵状のくさび形で長さ1cm前後、幅4mm
前後。花は乳黄白色でまれに淡紅色を帯び、7〜8月に枝先から伸びた長さ2cm
ほどの花柄上に1個つく。合弁花であるが、平開する花冠が直径1.5cmと小さい
上に5中裂するため、花弁が5枚あるように見える。雄蘂は5個で萼は5裂する。
イワカガミ(岩鏡 学名:Schizocodon soldanelloides)は、イワウメ科イワカガミ属の多年草。高山植物。
九州から北海道の高山帯から亜高山帯に分布し、草地や岩場に群生する。 葉は丸く、光沢がある。花期は春から夏。花は淡紅色で、花弁は5つに分かれ、その先端はさらに細かく裂けている。花茎は10〜15cmで、5〜10輪の花を横向きにつける。
和名の岩鏡は、岩場に生えることと、光沢のある葉を鏡に見立ていることに由来する。
近種にコイワカガミ、オオイワカガミ、ヤマイワカガミがある。
コイワカガミは、イワカガミに比べ、花の数が少なく小ぶりである。 オオイワカガミは、鮮やかなピンクの花をつける。 ヤマイワカガミは、ほかのものと違い、白い花をつける。
おおまかにイワカガミ、コイワカガミ、オオイワカガミと鋸歯の少ないヒメイワカガミ、ヤマイワカガミの2つに分けると、前者は地上性、後者は主に岩場に見られやすい。 またイワカガミ類は同じような生態のトクワカソウ、イワウチワと混生することも多い。
多雪地では鋸歯も多く葉も大振りのオオイワカガミが見られやすくなり、湿原ではイワカガミをそのまま小振りにしたコイワカガミが見られやすくなるが、この3つについては変化がやや連続的であり、水分環境の差などによる生態的な適応として区別しない場合もある。顕著に鋸歯が少なくイワカガミとは葉型の印象も異なるヤマイワカガミとヒメイワカガミは分布をわけ、太平洋側の寡雪気候区に属するところでヤマイワカガミ。 日本海側の多雪気候の影響の大きいところでヒメイワカガミと区別される。
これら5種は便宜的に分けられるが、ただ一種の生態的適応に基づく形態の
バリエーションの可能性も示唆されている。イワウチワについては多雪地域
ではトクワカソウに交代し、他シシガシラが一部ミヤマシシガシラに。 また、
イワカガミや〜シシガシラがもっぱら地上に生えるのに対しオサシダとヒメイ
ワカガミなどがセットで岩場に群生するのを見ることも多い。多雪地域ではイ
ワカガミ、オオイワカガミと似た生態のものにイワナシなどがある。